No.163 [天国〔死刑台〕への誘(いざな)い。最終]
2011年3月号



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【ひねくれコラム】NO・163
〈天国〔死刑台〕への誘(いざな)い。最終〉
▼ある雨の降る寒い日だった。牢獄で歌う
トム・ジョーンズと出逢った。悲しい顔をして、
絞り上げるような声で彼は歌った。
暫(しば)し茫然とした。そして我を忘れた。
伏せられた三番の詩(うた)を理解したとき、
鬱積(うっせき)した感情は消え失せた。
▼『Then I awake and
look around me
At four gray walls
that surround me
And I realize that,
yes I was only 
dreamin,
For there,s a guard
and there,s a sad
old padre
Arm and arm wee,ll
walk at day break
Again I,ll touch
The green green 
Grass of home』
【目が覚めて辺りを見回すと、灰色に染みた壁に
囲まれている。そこは牢獄の独房。そして気がつ
いた。そう、それは『夢だったんだ』―と。
看守と、憂いに満ちた年老いた牧師に両腕を支え
られ、死刑台へと歩く。それは夜明け前のことだ
ったー。あぁ、もう一度、緑多き我が
家の芝生に触れてみたい……】

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▼そして、こう続くー。
『Yes,they,ll all come to
see me In the shade of 
that old oak tree
As they lay me ,neath
the green green grass of 
home』
【そう、みんなが樫の木の木陰に集まり、
緑あふれる芝生の下で横たわる、私の安息を祈って
おくれー】
▼その死を暗示した詩と、その若者は一体…? 
この詩だけでは解らない。大きな庭、大きな樫の木。
その樫の木に寄せる想い。そして、恋人メアリーか
ら想像されるのは、教育も施され、裕福に育った英
国系南部米国人の青年であろうと推測する。
▼その若者が死刑台の階段を上る理由、とはー? 
「南北戦争(1860〜1865)」の南軍の捕虜。
戦争という不条理を訴えた詩ではないだろうか。
それも若くしての将校。一兵卒が独房で絞首刑は、
想像できぬ。
▼最後に、反戦女性歌手ジョーン・バエズが書いた、
幻の四番の詩にはこうある……。
『Yes,well all be together 
in the shade of the oak 
treeWhen wee meet beneath 
the green green grass of 
home』
【最期(さいご)を迎えたならば、樫の木陰の緑
あふれる芝生の下で会いましよう。またみんな一緒に
なれるわ……】              ―夢追人―

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―編集後記―
 *何とかならないかい? あのおっさんー。言っていいことと、
悪いことがある。
 開いた口がまだ閉じない。「無恥」「無知」「無能」では形容
が甘すぎるかい?
 生まれてン十年、長いこといろんな人と出会い、見てきたが、
これほどの〔Loopy(愚か)〕な男は知らない。
口にガムテープを二重に貼り、納屋から出ないように、誰か見張
ってろ!ってんだ。
 誰とは言わないがー。名前は伏せよう。ホンと、育ちの良い、
いい人なんだよな……。
 *また代わるのかい。菅さん! 純ちゃん以後、何人目だい?
 一国の指導者たる者が、そう頻繁(ひんぱん)に代わって
いいものかい? 少しは海外の眼を気にせい!ってもんだ。
前にも書いただろう。
 そやけど仕方ないか。求心力がなくなると、周りは右往左往、
離合集散と、しっちゃかめっちゃか〔混乱、散乱した様を、
くだけていう語〕になる。やはり素人政党だったかーと思わざる
をえない。
 かといって、一方の雄はいい人やけど、蚤(ノミ)のパンチや
しな…。あ〜ぁ、出るはため息ばかり…。    T・K

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